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REDという安価で超高画質(4K=水平方向の解像度が
4000pixel)な画期的デジタルシネマカメラシステムが業界内で噂になったのは1年半以上前の話でした。ところがREDの製造販売元の会社がどこの
馬の骨ともわからない会社のために映像業界ではあまり評判が芳しくなく、その革命的な価格設定(200万円前後)に関してもガセネタだとかイカサマっぽい
という疑念の方が先行してしまって周囲の映画関係者や技術者は静観するという姿勢を見せるばかりでした。
アップルのプロアプリケーション「Final Cut Pro」での利用事例紹介でいち早くREDのプロトタイプでの映画制作が取り上げられたにも関わらず注目度だけは高いまま実際の商業映画での利用事例が出るまではまだ半信半疑な見方をする人が多いのが現実でした。
そうこうするうちに2009年のNAB(全米放送事業者連盟展示会)ショーに向けてREDが更に進化した形で登場する、というニュースが飛び込んで来ました。
RED自体のラインナップも今までの4KバージョンがRED ONEという名称に変わり、5KバージョンがRED EPIC、3KバージョンがSCARLETというものが新たに加わるようです。
更にREDのホームページ上にはいくつか商業映画での実例がアップされていますが、つい最近公開されていた「JUMPER」という映画は4KのRED ONEで撮影されていたらしいですね。知りませんでした。
その他スティーヴン・ソダーバーグ監督の新作や「ロード・オブ・ザ・リング」「キングコング」のピーター・ジャクソン監督の新作「Crossing the Line」もこのRED ONEのプロトタイプ"BORIS"と"NATASHA"を使った作品のようです。
RED EPICは約400万円、RED ONEは約200万円、SCARLETはなんと約50万円という価格設定です。(いずれも各種オプションは別売り)
5K だの4Kだの3Kという画素数の概念は映画や出版関係に慣れ親しんでいないとわかり辛いかもしれませんが、いわゆるHD(ハイビジョン)方式と言われる映 像の画角は16:9比率で水平方向1920ピクセル、垂直方向1080ピクセルが一般的でこれは一般的に2K程度の情報量となります。2Kというのは水平 方向の1920pixel(dot)を基準にしていて、いわゆる画素数でいうと200万画素ということになります(1920x1080=約 2,000,000)。ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ:エピソードI~III三部作」を始めデビッド・フィンチャーの「ゾディアック」、マイケ ル・マンの「コラテラル」などのいわゆるデジタル撮影シネマは基本的に入り口になるカメラ部の解像度は全てこのフォーマットで撮るのが常識でした。現実に は1920x1080で取り込んだ動画をポストプロダクション処理(CG合成等)での質の劣化を防ぐために倍密処理をかけて4Kサイズに引き伸ばしたうえ で加工からマスタリングをするのですが、IMAX専用コンテンツ等の超高解像度みたいな特殊な条件のものでない限りにおいては映像・映画業界のインフラのスタンダードはあくまでもこの1920x1080が常識になってきていてSONYのCine AltaシステムやPanasonicのVaricamシステム、Thomson GrassValley社のViper Film Streamはいずれもこのスペックでのベストパフォーマンスを狙って数百万〜数千万単位の価格帯設定となっていたのです。(ちなみに「スター・ウォーズ三部作」はSONY Cine Alta、「ゾディアック」と「コラテラル」はViper Film Streamを使っています)
下の図は各画素の単純な比較をしたものですが、これを見るとREDの最低価格(50万円!)のSCARLETでさえ数千万円もするどのシステムよりも優れているのが一目瞭然です。
次 の720pと1080pはいずれもHD(ハイビジョン)方式と言われるもので、地上デジタル放送やBSデジタルハイビジョン、あとは最近のブルーレイのソ フト等は全てこの解像度になります。また上で述べた従来のデジタルシネマの撮影カメラの解像度もこのいずれかになります(CineAltaとViperは 1080p、Varicamは720p)。
3K、4K、5Kがいかに「常識外れ」かがハッキリとわかりますね。
一般的に4Kで800万画素程度の解像度となってこのレベルで初めて劇場用の35mmフィルムと同等解像度になる、と言われています。ポスト・プロダクションからマスタリングでこの4Kが良く使われるのはこのためです。
5Kになって初めて映画撮影の世界が1,000万画素超えするというわけです。
写真方面をやっていると「なんだ、やっと10メガ越えかよ!」という声が聞こえて来る気がしますがw
なんだかズルズルと長い記事になってしまいましたが、最後にBluesさんが本文を完成させる前に画像に入れてくれたコメントに貼られていたムービーがちょっと面白いのでこちらに引用させていただきます。
Octamasという小さなプロダクション(?)がREDを購入後、初めて梱包を開封してセットアップしていく様子をドキュメンタリーしただけのものですが、期待と喜びが素直に伝わってきて清々しいです。
"RED:Mysteries Unveiled HD"
・・・・・REDは映画制作に革命をもたらすと思います。